「帰っていただけますか」玄関で来客を締め出そうとする母の声がする。年が明けて間もなく、比較的あたたかい日の朝。実家に戻っていた私は、次の日に仕事始めを控えており二階の自分の部屋でUターンの荷造りをしていた。何事かと階段を途中まで降りかけ聞こ…
19歳の冬、4つ年上の彼氏がいた。同じサークルの先輩で、最盛期のポール・サイモンを彷彿とさせる影のある、彫りの深い顔立ちの人だった。ありとあらゆる映画に詳しく特に60〜70年代の映画を好んだ。私たちのデートのほとんどは都内のミニシアターか…
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