隙のないもの、壊しちゃえ
私の肌よりも
断然きめ細やか
目からその軽さがわかるほどにも関わらず
中身はぎゅっと詰まっているだろう
不思議などっしり感と
くっきりはっきりしたフォルム
もったいなくて崩したくない、というよりは
嫉妬心からすぐさまかき混ぜたくなる
かき乱したくなるほどの完璧なかたち。
それを計算してのことか
すぐにしぼむので
かき乱す快感が得られるのは
目の前に現れてから数秒だ。
中央に穴を開け、そこにソースを流し込み
かき混ぜるという食べ方に
何とも言えない優越感というのか
達成感というのか
そんな気持ちが沸き起こる
完璧なものが、そうでなくなる瞬間
自分の手で、そうでなくさせる瞬間を
柔らかな甘みの前に
頭の芯で味わう。